2021年秋 草場一壽 陶彩画新作展 ~復活の女神たち~ 名古屋
コロナ禍で個展開催を中止して、1年と6ヶ月になります。
インターネットを使っていろいろと試行錯誤してまいりましたが、やはり原画を直接ご覧いただきたい思いは募るばかりです。
また、このような時だからこそ芸術が果たす役割もあろうというのも正直な思いです。
少しでも安らぎや元気を持ち帰っていただきたい・・・。
このような思いでこの秋、名古屋と大阪において、個展を再開することにいたしました。
今回展示の中心となるのは、最新作である「桃華の姫 イワナガヒメ」をはじめ、日本神話に登場する女神や「ククリ姫」と「瀬織津姫」などです。
歴史の中にひっそりと姿を期していたヒメたちが、いまやときと蘇りました。
輝かしい日本の歴史の中にも、実は埋もれてしまった裏の部分というものが必ずあります。縄文から弥生へ、そして国家の成立へという過程において、「国」を統一しようという強い意思があり、それに従わない者、同化しないものは歴史から追われる宿命となったのです。それが、自然と人と=万物がともに息づく世界にあった縄文の神々であり、ヒメたちはその象徴的な存在です。
そうして時代の発展と引き換えに鈍化した私たちの感性は神々の声を聞くこともヒメの姿を見ることもできなくなりました。
一方では・・・たとえば瀬織津姫は、正式な歴史の中には何一つ出てきません。しかし、疫病が大流行したり天変地異が起きた時、浄化のためにあげる祝詞、大祓詞(おおはらへのことば)の中では、四柱の祓戸の大神として最初に出てくるのが瀬織津姫です。歴史の中に葬られながら、ヒメたちは、人知れずそのお役目を担ってこられたのです。そのお役目こそがいま顕現されるときではないでしょうか。
ヒメたちの蘇りは、万物のスピリット(いのち)への畏怖と感謝と祈りの復権=大調和への願いです。
今回の個展は、コロナ対策の一環として、検温や消毒、マスク着用に加え、ソーシャルディスタンスを確保していただくために、会場に傘をご用意いたします。
傘をさすことで、安心な距離を保ちながらご鑑賞いただくという、ユニークで前代未聞の展覧会です。屋内で傘をさすということで、会場に不思議な雰囲気をもたらし、こどもの頃のワクワク感にも似た・・・意外な発見があるかも知れません。
感染対策には十分配慮してみなさまをお迎えいたします。どうぞみなさまも感染対策にご留意の上お運びくださいますよう、お願い申し上げます。
みなさまとの再会を心より願っております。
草場 一壽
―――――開催地―――――
◎名古屋個展
【会期】
2021年10月13日(水)~10月18日(月) 10:30~18:00
※最終日(10月18日)は17:00まで
【入場料】
無料
【会場】
ナディアパーク・デザインギャラリー
〒460-0008 名古屋市中区栄3-18-1 ナディアパーク・デザインセンタービル4階
ホームページより