浮世絵DESIGN (岐阜県恵那市)
浮世絵DESIGN
6月23日(木)〜7月24日(日)
中山道広重美術館
岐阜県恵那市大井町176-1
☆展示概要
粋で新しいもの好きな江戸っ子たち。庶民を中心に流通した浮世絵にも、彼らの関心を引き付ける斬新なアイデアが求められました。名所のように繰り返し描かれた画題であっても、アングルを変えたり、人物画と組み合わせたり、一つの画面に複数図をレイアウトしたりと、形式や構成に一ひねりを加えることで、オリジナリティのある目新しい作品へと昇華させたのです。
また、浮世絵のシリーズ物は、完結後、画帖形式にまとめられて販売されることもありました。画帖に収める画題目録を手掛けたのは、梅素亭玄魚といった意匠家たち。各画題の文字表記を中心とした図案は、作品情報を伝えるだけでなく、人々の目を大いに楽しませました。
こうした、庶民の購買意欲をかき立てる作品には、絵師たちの細部にわたる創意工夫の跡が認められます。思わず手に取りたくなるような、デザイン性豊かな浮世絵の世界をお楽しみください。
歌川広重「(国尽張交図会) 北陸道七ヶ国 若狭 能登 越前 加賀」
大判錦絵 嘉永5年(1852)12月 当館蔵(田中コレクション)
大小異なる形をした画面枠に、日本各地を象徴する名勝や名物、物語の場面などを収めたシリーズ。本図の中央には、画題「北陸七ヶ国」が石摺風に白抜き文字で記されています。右上「若狭」は当地の名産品である干しカレイ、左上「越前」は磯でウニ取りをする親子の姿を取り上げています。左下「加賀」は、安宅関にちなみ、偽の勧進帳を読み上げる武蔵坊弁慶です。右下「能登」には、日和山を望む九十九湾の佳景が広がっています。「能登」を枠取るハート形は、「猪目(いのめ)」と呼ばれる日本古来の文様。他4図では角形の枠を用いていることもあり、丸みを帯びた形状が印象的な構成です。
ホームページより