ボテロ展 ふくよかな魔法(名古屋市美術館)

 

2022年7月16日(土)~9月25日(日) 名古屋市美術館
名古屋市中区栄二丁目17番25号
(芸術と科学の杜・白川公園内)
TEL 052-212-0001
FAX 052-212-0005

南米コロンビア生まれの芸術家フェルナンド・ボテロ(1932-)。1950年代後半から注目を浴び始め、今日では現代を代表する美術家の一人に数えられています。

彼の手にかかると、楽器や果物、動物、さらにはあのモナ・リザさえもが、丸くふくよかな姿となって現れます。ボテロ作品のふくらみが持つ形の豊かさは、「観る者を突き動かすような官能を伝える」というボテロの言葉通り、ユーモアやアイロニーなどさまざまな要素を絡めつつ、生の喜びを湧き上がらせてくれるような魅力を持っています。

一度見たら忘れられなくなるボテロ・スタイル誕生のきっかけは、ボテロ24歳のとき。ある日、マンドリンを描こうとしたボテロは、楽器の音響孔を、実際よりも小さく、黒い点のように描き入れました。すると、その小さな孔との対比によって、マンドリンの丸いボリューム感がより際立って表れてくるのに気づきました。ボテロは、この不意に生まれた造形の豊かさに芸術的な美を見出したのです。

《モナ・リザの横顔》
フェルナンド・ボテロが世界に注目されるきっかけとなったのは、1963年、ニューヨークのメトロポリタン美術館でレオナルド・ダ・ヴィンチの《モナ・リザ》が展覧されたとき、ボテロの《12歳のモナ・リザ》がニューヨーク近代美術館(MoMA)のエントランス・ホールに展示されたことです。一夜にして、ボテロの名前はニューヨーク中に知れ渡りました。「モナ・リザ」はボテロが描き続けているテーマの一つで、本展では2020年制作の《モナ・リザの横顔》が世界初公開されます。90歳を迎えた今もなお、美術家として探求し続ける気迫の伝わる一枚です。
《象》
世界各国で空前のヒットとなっているフェルナンド・ボテロの展覧会ですが、本展は、1995-96年の巡回展以降、実に26年ぶりに日本国内で開催される大規模絵画展となります。ボテロ本人の監修により、初期から近年までの油彩ならびに水彩・素描作品など全70点で構成される本展は、展示作品のほとんどが日本初公開という注目のラインナップです。初めてボテロ作品に触れる方にも、ボテロファンにとっても、新たな発見のある展覧会となるでしょう。
《バーレッスン中のバレリーナ》
1951年のコロンビアに始まり、ヨーロッパ、北米、南米、アジアなど世界各地でこれまで70年以上にわたり数えきれないほどの個展が開かれてきました。観る人を惹きつけてやまないのは、ふくよかでユーモア、ときに風刺を交えた独特な作風、そして作品自体の大きさにも圧倒されます。豊かで、生の喜びをも感じさせるボテロ作品の数々を、ぜひ会場でお確かめください。
《守護天使》
ホームページより