6月度月例講座にいってまいりました。
6月ですが、梅雨の晴れ間、木々がぐんぐん色を増す季節となった久屋大通公園。
お隣の金比羅神社さんはいつも綺麗な空気に包まれています。
私が幼稚園時代この前を通い、小学校時代はお百度石が遊び場だった神社。
ビルに囲まれながらずっとこの場所で綺麗な空気を保っています。
いつも誰かが訪れ、神様にご挨拶している姿を見かけます。
だからこそ、この小さなお社はいつの時でも街中の守られた場所であり続けるのでしょう。
さて、今回の月例講座のお題は…
「短冊に七夕」でした。
短冊はハガキと違い、超縦長‼
構図に苦戦します。
しかも
絵の具の吸い込みが激しいので
絵の具の水加減、塗り方が勉強になります。
むずかしい顔…
私たちが子供の頃から毎年7月7日は七夕と認識はありますが、ちょっとお勉強を…
※仙台や北海道など、8月7日に七夕を行うところもあります。
7月7日の夜に、織姫(おりひめ)と彦星(ひこぼし)が天の川を渡って1年に1回だけ出会えるという伝説にちなみ、日本各地でさまざまな行事やお祭りが行われていますね。
七夕で最も有名なのが、織姫と彦星の伝説ではないでしょうか。
中国ではそれぞれ織女(しゅくじょ)と牽牛(けんぎゅう)と呼ばれます。
天空の主である天帝の娘で、機織りの名人だった織女は、牛飼いの牽牛と恋に落ちて結婚しました。
しかし結婚後、働き者だった2人は仕事をしなくなり、それに怒った天帝は2人を天の川の両岸に引き離します。
悲しみに暮れる織女を不憫に思った天帝は、年に一度だけ2人を合わせるように計らった、というのが伝説のあらすじだそうです。
織姫(織女)はこと座の一等星「ベガ」、彦星(牽牛)はわし座の一等星「アルタイル」という星にあたります。旧暦7月7日は、天の川を挟んでベガとアルタイルが最も輝いて見えることから、この伝説が生まれたそうです。
七夕の際は、願い事を書いた短冊や、折り紙で作った七夕飾りを笹に吊るすのが一般的ですね。
実は、それぞれの飾りにも意味が込められています。
短冊をはじめ、七夕の飾りに込められた意味を調べてみました。
笹に吊るす短冊は、古くは和歌を書いて学問や書道などの上達を願っていましたが、現在は学問などに関わらず、個人の願い事を書いて吊るします。
現在はあまり意識されることがないものの、七夕飾りの短冊は赤・黒(紫)・青・白・黄の5色が一般的です。
七夕飾りの短冊が5色なのは、中国の五行説が影響しています。
五行説とは、世の中のすべては火・水・木・金・土のいずれかに当てはまり、それぞれが影響し合っているとする自然哲学の考え方です。
火が赤、水が黒、木は青、金が白、土が黄色に対応します。
日本では、黒色は縁起が悪いという理由から、高貴な色である紫に変化しました。また、日本語の青は緑色も表す言葉だったため、緑色が含まれるようになったそうです。
こちらは「吹流し」と呼ばれ垂らした織糸を模した飾りです。
織姫を象徴し、手芸や機織りの向上を願って飾ります。
「投網」「くずかご」「巾着」「紙衣」
「投網」とは魚を取るための網のことで、大漁を祈願して飾ります。
「くずかご」は七夕飾りを作り終えた後に出る紙くずを入れる飾りです。
ものを粗末にしないで役立てる倹約の気持ちや、清潔さを育てる意味を持ちます。
古くはお金を入れていた「巾着」は、貯蓄や金運の上昇を願う飾り物です。
お金が逃げないように、口の部分をしっかり結びます。また、巾着ではなく財布を飾る場合もあるそう。
折り紙で作った人形や着物が「紙衣」です。
機織津女が織った着物を模していて、裁縫の上達などを願います。
また、病気や災いが起こらないようにという厄除けの意味や、子どもの健やかな成長を願い身代わりとして流す形代(かたしろ)の意味合いもあるとされています。
「折鶴」は家内安全や長寿を願い、家長の年の数だけ折ります。
千羽鶴にする場合もあるようです。
そして七夕飾りは、古くは高くに掲げるほど星に願いが届きやすいと考えられていたそうです。
子供の頃は短冊に願い事を書くくらいで、大人になってからは特に行事は行っていませんでした。
でも今回勉強してみて、伝統行事に込められた想いや誰かを大切に思う気持ちを、いにしえからこれから未来に向かってきちんと残し伝えていかなければと強く感じました。
イベントで終わらせるのではなく、行事として行うことの大切さ。
日本って素敵ですね。
書画を通して日本の良さを伝えていくことが私たちの使命なのだなと改めて思いました。
あなたの願いが叶いますように…
本部主任 第1期書画師 吉田恭子